著者
熊野 浩太郎
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.448-453, 2008 (Released:2008-12-31)
参考文献数
47
被引用文献数
2

ヒトパルボウイルスB19は,小児における伝染性紅斑の原因ウイルスであるが,その他にウイルス直接の障害として,溶血性貧血患者におけるaplastic crisisや免疫不全者における慢性赤芽球癆や胎児水腫の原因となる.また,免疫学的な機序として関節炎や急性糸球体腎炎を発症することが判明している.その他に,関節リウマチや,血管炎,血栓性微小血管障害などとの関連を指摘する報告もある.成人発症例では,関節炎の遷延化により関節リウマチとの鑑別や,補体の低下や自己抗体が検出されることから全身性エリテマトーデスとの鑑別も要する.このように様々な疾患との関連が報告されている感染症であり,また臨床面ではリウマチ膠原病疾患との鑑別を要する重要疾患である.

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