著者
向井 誠時 早野 順一郎
出版者
Japanese Heart Rhythm Society
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.217-224, 1996-05-31 (Released:2010-09-09)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

心拍変動解析の標準化のための基礎データとして, 心拍変動解析時の種々の要因が解析結果に与える影響を調べ, 次のことを明らかにした. (1) 不整脈処理時に行うデータ欠損部の補間処理はLF成分振幅の過大評価と, HF成分振幅成分の過少評価の原因となる. (2) 自己回帰スペクトル分析の次数を変化させたところ, LF成分, HF成分の振幅はともに16次以上で一定となる. (3) 呼吸周波数の減少は心拍数の変化を伴わずにHF成分の振幅を増加させることから, HF成分振幅は心臓迷走神経活動レベルとは独立に呼吸周波数の影響を受ける. (3) 心拍数が変化する時, R-R間隔による心拍変動の増減と瞬時心拍数による心拍変動の増減と一致しないことがある. (5) complex demodulation法は心臓自律神経活動の経時的変化の分析に適する.

言及状況

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RR間隔と瞬時心拍数は逆数の関係なので、それらの変化量は非線形な関係にあるという、ほぼ自明なことへの指摘も結構前からある。例えば、1996年に向井、早野が、最近では2016年にDraghici、Taylorが指摘している。 https://t.co/jBkkgQ5Eyr https://t.co/OQjLBOD8Bd

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