著者
大須賀 ゆか
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.13-18, 2005-03-15 (Released:2010-07-21)
参考文献数
15
被引用文献数
4

2002年, CDCは新しい手指衛生に関するガイドラインが提唱したが, 擦式手指消毒薬の使用により手指衛生行動が改善した報告は少ない. そこで, 手指衛生に関する今後の課題をあきらかにするために, 擦式手指消毒薬と流水下での手指衛生行動 (実施率・方法) を比較検討した. 構成的観察法により93名の看護師を観察した結果, 仕事数が最も多い病棟では, 擦式手指消毒薬による手指衛生の割合は最も高かったが, 手指衛生実施率と手指衛生方法の得点は最も低かった. また, 擦式手指消毒薬による手指衛生は, 流水下に比して手指衛生方法の得点が低かった. 以上から, 忙しい状況では擦式手指消毒薬を使用しても手指衛生実施率の改善にはいたらず, 擦式手指消毒薬による手指衛生は流水下に比して手指衛生の質が低下するリスクがあることがあきらかになった. 擦式手指消毒薬を使用する場合, 手指衛生のトレーニングを強化する必要性があることが示唆された.

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[2005年][手指衛生][大須賀 ゆか][環境感染]

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