著者
山内 勇人 河野 恵 大西 誠
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.81-86, 2006-06-30 (Released:2010-07-21)
参考文献数
7
被引用文献数
2

インフルエンザウィルス感染症は, 病床運営や患者生命にも関わる重篤な院内感染症の一つである. 当院は240床中80%がリウマチ性疾患, 中でも関節リウマチ (RA) が大多数を占めるRAの専門病院である. 2002年度の全国的なインフルエンザの大流行時に, 当院でもインフルエンザ患者が急増した. その主たる原因をエレベーター内での飛沫感染と考え, 入院患者, 職員, 外来患者や面会人を含む病院全体での厳格なサージカルマスク着用による飛沫予防策を緊急導入し, アウトブレークを途絶することに成功した. その経験から, 当院ではワクチン接種の推進に加え, 冬期のサージカルマスク対策を継続して行っている. 更には, 外来有熱患者の受付でのトリアージを2004年度より導入し, 飛沫予防策の強化を図っている. その結果, 入院患者でのインフルエンザ発生は, 2003年度0人, 2004年度は3人と良好な結果である.当院のようなハイリスク集団におけるインフルエンザの院内感染対策において, ワクチン接種の重要性は言うまでもないが, 病院全体での厳格な飛沫予防策の併用は極めて有用である可能性が示唆された.

言及状況

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@jatjat42910030 @K71122183K 感染症リスク対策にマスクを使う手法は、少なくともこの20年間で定着していたんですけどね。 インフルエンザ院内感染対策としての予防的マスク着用の有用性 https://t.co/q3mQSlWNIN
@kenichining @0JAJsuJGfNBH3Z4 これはCovid19が流行する前の論文なのでインフルが対象だけど、感染症としては概ね状況は同じだから置いておくね(感染力は段違いだけどね) インフルエンザ院内感染対策 としての予防的マスク着用 の有用性 https://t.co/75B9eulgLe
読んでる RT J-STAGE Articles - インフルエンザ院内感染対策としての予防的マスク着用の有用性 https://t.co/FmE3U1rcRd
情報は取り方ですね。 見出しだけみちゃダメ。 呼吸器系の疾患にマスクが有効なエビデンスがないという事。 飛沫感染のリスクは減らせると。 マスク 感染で検索すれば、論文も読めるし。 それの信憑性は自分で考える必要はあるが。ネットニュースを見るよりは良いかと https://t.co/YE99bjpxro https://t.co/fVlwkLoh2S
インフルエンザ流行期の病院全体での予防的マスク着用はワクチン接種や有熱外来患者のトリアージとともに感染制御に貢献したと考えられる.エビデンスを踏まえた院内感染対策を行うという観点から当院での対策はインフルエンザの院内感染対策のrole model として位置付けられる https://t.co/DRnDAnFJCK
敢えて朝日新聞の記事です: https://t.co/BwD2uo5XLf 日本環境感染学会誌:https://t.co/hyBufzfkVv 参照して思うに、ハイリスク(満員電車とか)環境では予防効果はあるんじゃないでしょうかね。職場でも目の前の席が咳するとか、工場の様な閉鎖空間とか。 https://t.co/34GuskNhhH

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