著者
黒川 貴幸 石川 智一 吉田 和明 森田 健太郎
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.527-532, 2016-06-30 (Released:2016-06-30)
参考文献数
10

事例:平成25年8月,航海中に乗員が自殺した。発見時から同僚が心肺蘇生(以下CPR)を長時間行うも,蘇生できなかった。AED記録データを解析し,事案発生約20日後,医師がCPRデブリーフィング(以下DBF)を行った。最小限の講義後,AEDの記録心電図波形を公開し,胸骨圧迫の質につき解説した。後日CPRに関与した同僚に調査し,対象者15名中全員が「DBFを受けてよかった」と回答し,12名がCPRへの前向きな意見を出した。考察:本DBFにより,自分達のCPRを振り返ることで,グリーフケアの一助になった可能性がある。またCPRの必要性や重要性につき理解を得たと考える。一方DBFの効果についての評価手法や実施時期につき,今後検討を要する。結語:自殺事案発生後,CPRに関与した一般隊員に対しCPR-DBFを行った。CPRの必要性やグリーフケアの観点から,CPR-DBFは有用だった可能性がある。

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