著者
後小路 隆 田口 健蔵
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.734-738, 2021-10-31 (Released:2021-10-31)
参考文献数
7

ある一定以上の重症者に対して医療を提供しようとすれば,救急救命士制度の拡充だけでは対応しきれず,医師が現場にいることによって現場治療や搬送の優先順位,搬送方法の決定をより高い精度で実施することができる。今回,高速道路上で複数の傷病者が発生した事故を経験した。生理学的徴候に異常をきたす重症者が1名いたが,先着した救急隊は,事故概要,傷病者数を十分把握しているとはいえない状況であり,医師は,事故概要の把握と評価を行う必要があった。ともに活動した診療看護師が医師の指示のもと,生理学的徴候の安定を目的に静脈路確保や超音波検査の実施,詳細な診察を行い,医師に報告後,現場搬出を実施した。プレホスピタルにおいて診療看護師の存在は,複数の傷病者が発生した事案などで生じる人的医療資源不足の解消と,医療の質の向上に貢献できる可能性があると考える。

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プレホスピタルにおける診療看護師(nurse practitioner)の役割 ―複数傷病者事故事案を検証して―https://t.co/UQEj8sPB0S https://t.co/a7aevW2R5D
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