著者
福田 麻莉
出版者
日本教育実践学会
雑誌
教育実践学研究 (ISSN:1344946X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1-14, 2019 (Released:2021-05-08)
参考文献数
28

本研究は,認知カウンセリングの事例分析を通じて,授業および家庭学習における中学生の教科書・ノートの活用を促す方法についての示唆を得ることを目的とした.本事例では,カウンセラーはカウンセリング中,数学の教科書を活用し,また,クライエントに学習内容についての説明を求めることで,教科書の内容や構成についての理解を促し,家庭学習中に分からないことがあった際に自発的に教科書を見返すようになることを狙った.カウンセリングを通じて,クライアントは家庭でも教科書を自発的に使用するようになり,また,数学の用語や概念の意味を重視する学習観を抱くようになった.さらに,授業中のノートテイキングにも変化が見られ,用語や概念の意味についてのメモを取ることができるようになった.分析を通じて,教科書やノートを活用できる,自立的な学習者を育成する上での効果的な介入方法についての示唆が得られた.

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福田さんの論文を見ると,教科書の活用にどのような支援が必要かが分かる(安易に「教科書活用」とか書きがちなうちの学生にも,本気でやるならこれだけのことが必要なんよと伝えたい)。 https://t.co/eYHDfUHxHt

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