著者
羽倉 義雄
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1-12, 2015-03-15 (Released:2015-05-12)
参考文献数
21

食品素材は,一般に複数の組織(部位)から構成されている.各部位は,生物学的機能などの違いにより,化学的組成(水分,たんぱく質含有量,脂質含有量など)が異なることが多い.これらの組織の化学的組成の違いは,材料力学物性の温度依存性にも影響を及ぼす.そこで,食品を構成する組織の材料力学物性の温度依存性を理解した上で,食品の加工温度や加工方法を工夫することにより,従来の方法では困難であった機械的な加工が比較的簡単にできる場合がある.筆者らは,食品素材の温度を制御し,食品を構成する複数の部位の材料力学物性(破壊応力,弾性率,ポアソン比,脆化温度など)を最も加工に適した状態とすることにより,機械的加工を容易にする新たな食品加工技術を検討してきた.本稿では,温度変化に伴う食品素材の材料力学物性の変化を食品の機械的加工処理に積極的に利用する方法について紹介する.

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