著者
今村 維克
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.229-238, 2008-12-15 (Released:2011-01-31)
参考文献数
11

著者らは汚れの付着した金属表面上で集中的にOHラジカル (・OH) を発生させることを原理とする新たな洗浄手法を開発した.すなわち, 過酸化水素を含む水溶液に汚れの付着した金属表面を浸し, その状態で負電位を印加する.H2O2分子が金属表面で電子を受け取ることにより, きわめて酸化力が高い・OHが発生し, 汚れ物質を速やかに酸化分解し, 金属表面から除去することができる.すでに, タンパク質をモデル汚れ物質として, H2O2-電気分解洗浄における洗浄機構と有効性を検証している.本稿では, H2O2-電気分解洗浄における諸因子の影響の把握と洗浄効率のさらなる効率化を図るため, (1) 支持電解質の種類および濃度の影響, (2) 基板材質の影響, (3) 吸着物質 (タンパク質および脂質) の種類の影響, (4) 共存物質の影響について検討した.その結果, H2O2-電気分解洗浄においてアンモニウム化合物やリン酸イオンが存在するとモデル汚れ物質 (タンパク質) の除去速度が格段に向上することを明らかにした.また, 各種モデル汚れ物質や基板材質に対する有効性についても検証した.

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