著者
矢野 隆郎 山内 弘一郎 丸田 豊明 丸田 望 窪田 悦二 竹智 義臣 恒吉 勇男
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.375-380, 2011-07-01 (Released:2012-01-15)
参考文献数
9

【症例】34歳,男性。【病歴と経過】化学工場で深さ2 mの35%塩酸タンクに転落し,約10分間全身が塩酸に浸り,転落から10分後(転落の目撃者なく最長予測時間)に発見され,約18分後に当院に搬送された。来院時,意識清明で発語も認めたが,顔面・頭部を含む全身熱傷のため気管挿管した。動脈血液ガス検査で,pH 6.76,PaCO2 26.3 mmHg,PaO2 268 mmHg,BE -27.8 mmol/l,乳酸値124 mg/dl,P50 98 mmHgと高度な代謝性アシドーシス,高乳酸血症,P50の上昇を認めた。重炭酸ナトリウム250 mlを投与したところ,PaO2 492 mmHg,P50 34 mmHgと一時的な改善を認めたが,多臓器不全が進行し2日目に死亡した。【結語】塩酸が皮膚から大量に吸収され,高度な代謝性アシドーシスとP50の上昇を合併した症例を経験した。症状の進行が急速かつ重篤であり,救命には至らなかった。文献上同様な報告は見当たらなかった。

言及状況

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塩酸タンク転落事件の医学論文。高校時代からこういう論文を読みたかったよ。 https://t.co/zJaDLEotaV
@Emi__momi2 https://t.co/B1d9Z8kgSR 事実だけ述べてる文章で随分とSAN値削れるぞ。

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