著者
日本集中治療医学会臨床倫理委員会
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.231-243, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

日本集中治療医学会(以下,本会)臨床倫理委員会は,本会の正会員のうち看護師免許を有する者を対象に,集中治療領域においてDo Not Resuscitate(Do Not Attempt Resuscitation)〔以下,DNR(DNAR)〕の正しい理解と治療の開始・不開始,差し控え,中止の状況や,看護師の意識が2016年の調査結果1)と比較して,どのように変化したかを明らかにするためにアンケート調査を実施した。DNR(DNAR)の教育を受けたと回答した割合は,2016年の調査結果より有意に増加した。また,教育を受けた場所で最も多かったのは,学会主催のセミナーであった。DNR(DNAR)指示により,心停止時の心肺蘇生以外に侵襲の高い生命維持装置などの治療の終了や差し控えが行われている現状や,本来の対象以外にDNR(DNAR)が拡大解釈され誤用されている現状に変化はなかった。DNR(DNAR)の判断に,複数の医師と医師以外の医療従事者で行うと回答した割合は増加した。さらに,本調査では3学会合同「救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン」2)と厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」3)を読んだと回答した者のうち,使用した経験を有したのは3,4割であった。また,本会より「Do Not Attempt Resuscitation(DNAR)指示のあり方についての勧告」4)が発表されたが,未だ臨床現場において混乱が生じている。したがって,本会臨床倫理委員会は,DNR(DNAR)の正しい知識と理解を得るため,繰り返し教育の機会を設ける必要性がある。

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「日本集中治療医学会会員看護師の蘇生不要指示に関する現状・意識の変化と,ガイドラインの使用に関する調査」2020 https://t.co/KbfB4BA1TS この報告の指摘からも看護師の基礎教育と医学教育の緩和医療との整合性が曖昧だと思う。終末期看護の文献は1970年代からある。教育設計がまとまってないなぁ

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