- 著者
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森田 善仁
讃岐 美智義
世良 昭彦
木下 博之
- 出版者
- The Japanese Society of Intensive Care Medicine
- 雑誌
- 日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.2, pp.111-116, 2003-04-01 (Released:2009-03-27)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
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心停止をきたした脚気心症例を経験し,PCPS下に,ビタミンB1を静注し救命しえた。48歳男性。ショック,呼吸困難のため当院に緊急搬送された。来院時,重篤な循環不全と代謝性アシドーシスを認めた。カテコラミンや重炭酸ナトリウム投与,IABPによる循環補助によっても症状の改善を認めず,心臓カテーテル検査中,心停止をきたしたためPCPSを導入した。諸検査後,心筋梗塞,肺梗塞,心タンポナーデを否定し,病歴から脚気心を疑った。ビタミンB1100mgを静注後,2時間でアシドーシスの改善がみられ,6時間で循環動態が安定したためPCPSを離脱した。原因不明のショック,アシドーシスでは,脚気心を疑い,速やかにビタミンB1を投与するべきである。