著者
塚原 康博
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.1-13, 2020 (Released:2021-02-02)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本研究では、インターネット通販の拡大を背景とする宅配クライシスの問題を取り上げ、それをもたらした要因、それを解決もしくは緩和するための方策を考察した。本研究では、さまざまな方策のうち、再配達の有料化に注目し、その実現可能性について、全国調査の結果を基に検討した。この調査の結果から、再配達を有料化すると、多くの回答者に行動変容が生じ、1 回目での受け取りが増えるので、再配達の削減が期待できる。また、有料化の導入に際しては、多くの回答者が再配達の配送料に対して支払う意思を示している。有料化における配送料の金額設定に関しては、回答者による支払い可能な金額の最頻値、中央値、平均値が参考になるが、配達される品物の金額が10000 円以内のケースにおいて数百円程度であると考えられる。有料化で得た収入は、宅配ボックスの設置数の増加や配送員の増員などに活用できる。全国調査の結果から再配達の有料化は実現可能であり、宅配クライシスを緩和する効果は得られると期待できる。

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

インターネット通販の拡大と宅配クライシス ー再配達の有料化の実現可能性に関する調査研究ー 塚原康博https://t.co/vurXY9RakC
塚原康博(2020)「インターネット通販の拡大と宅配クライシス─再配達の有料化の実現可能性に関する調査研究」『情報通信学会誌』38(3) https://t.co/6FwD73UFML

収集済み URL リスト