著者
岡本 雅史 大庭 真人 榎本 美香 飯田 仁
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.526-539, 2008-08-15 (Released:2008-11-10)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3

本研究は,漫才対話が二者間での対話形式を取りながら第三者である観客への情報伝達を可能とする〈オープンコミュニケーション〉構造を持つことに着目し,発話・視線・姿勢などのマルチモーダルな要素間の相互作用の分析を行うことにより,二体の擬人化エージェントの対話を通じてユーザに効果的にインストラクションを行う対話型教示エージェントモデルを構築する上で有用な知見を得ることを目的とする.特にオープンコミュニケーションの大きな特徴の一つであるコミュニケーションの「外部指向性」に焦点を当て,非明示的な観客への情報伝達である「外部指向性」と直接的に観客への働きかけを行う「内部指向性」の両者が,どのように演者内のマルチモーダルな振る舞いと演者間のインタラクションによって実現されているかをプロの漫才師の対話映像の分析から探った.結果として,オープンコミュニケーションにおける指向性の顕在化は,今回分析対象とした二組の漫才コンビ間で異なる形式を持つことが明らかとなり,オープンコミュニケーションの指向性を捉える上でマルチモーダルなチャネル間の相互関係が重要な役割を果たしていることがわかった.

言及状況

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この2者間での対話を第3者に提示しながら情報伝達をするという、対話型教示の枠組みに学問的な広がりの可能性を感じる。漫才にしても教育にしてもこの枠組みだからこそ成し得る作用について誰かまとめてほしいなあ。ロボットにこれを仕込んでM-1優勝なんてこともできるはず。 https://t.co/PhV1TeZVFQ
岡本 雅史, 大庭 真人, 榎本 美香, 飯田 仁 対話型教示エージェントモデル構築に向けた漫才対話のマルチモーダル分析 知能と情報 20 巻 4 号 p. 526-539 https://t.co/Bx7fWAQBAE

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