著者
鈴木 秀人
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第69回(2018) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.83_1, 2018 (Released:2019-01-18)

暴力的行為(体罰やしごき)が繰り返されてきた運動部の過去を振り返ると、それを行使する側の問題を問う必要があることは勿論であるが、結果的にそれを長期間にわたって許してきた側の問題を問うことも必要ではないか、というのが本研究の根底にある問題意識である。 暴力的行為を許してきた側を問う視点として発表者が着目してきたのは、かかる行為とその行使の基盤となっている監督と選手間や上級生と下級生間の封建的な上下関係の起源を旧軍隊の行動様式に求める「軍隊起源説」という俗説である。 発表では、当の軍隊が消滅してしまった後々まで、軍隊に起源があるとされる行動様式がなぜ運動部の中で継承されたのかを説明できないという弱点を持つにもかかわらず、我が国の多くの人々がこの説を共有してきた理由を明らかにし、暴力的行為を許容してきた側に見られる問題を新たに提起する。

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