著者
中西 真一 粕谷 孝光 小野 剛
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.742-747, 2016 (Released:2016-04-26)
参考文献数
6

【目的】最近は胃瘻に対して慎重であるべきとの意見が散見されるが、過去の報告で胃瘻造設をした家族の満足度は60~ 70%と決して低くない。今回胃瘻造設に対する家族と医療従事者側の考えの違いをアンケートで検討した。【対象及び方法】1) H22.4.1~ H25.3.31に当院で PEG造設術を施行した患者家族、2) 一般病棟・療養病棟に勤務している看護師・介護士、3) 老健保健施設・特別養護老人ホームに勤務している看護師・介護士・介護員を対象にアンケートを実施した。【結果】家族51人、医療従事者側213人 (一般病棟85人、療養病棟27人、老健保健施設43人、特別養護老人ホーム58人) だった。胃瘻に満足しているのは家族では74.5%で、医療従事者側の一般病棟39.0%・療養病棟30.8%・老健保健施設27.5%・特別養護老人ホーム14.3%より有意に多かった。自分自身で胃瘻を希望する家族は31.3%で、医療従事者側の3.4~ 11.1%より有意に多かった。【結論】家族は医療従事者側より、胃瘻に対して肯定的な意見が多かった。医療従事者側では、介護施設で胃瘻に対して否定的な意見が多かった。

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@TsugawaYusuke https://t.co/Ehe2JFXbLg 家族の中で、本人が胃瘻を希望するのは31.3%、家族に胃 瘻を勧めるのは55.6%、周囲に胃瘻を勧めるのは43.5%と、い ずれも医療側より有意に多かった。 医療者側や自身がやりたくなくても認知症などで意思決定権が無く、家族が希望してやらざるを得ない場合があると思います。

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