- 著者
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山本 泰大
渡邊 紘章
櫻井 愛菜
近藤 綾子
浅井 泰行
木原 里香
小田切 拓也
- 出版者
- 日本緩和医療学会
- 雑誌
- Palliative Care Research (ISSN:18805302)
- 巻号頁・発行日
- vol.16, no.1, pp.55-58, 2020 (Released:2021-02-16)
- 参考文献数
- 11
【緒言】終末期がん患者に対して,痙攣発作の治療を目的とした抗痙攣薬の使用は臨床現場において稀でなく,経口および静脈投与不可能な症例への治療選択が求められることは少なくない.われわれは終末期がん患者で末梢血管の確保ができない症例に対してレベチラセタム(LEV)注を皮下注射した症例を3例経験したため報告する.【症例】3症例の年齢は83,75,82歳で,LEV皮下注射の投与時期は予後1カ月程度であった.3例ともLEVを点滴静脈から皮下へ投与経路変更した事例である.LEV皮下注射の実施後,痙攣の増悪や注射部位反応,その他の有害事象は確認できなかった.【考察】末梢血管確保の不可能な終末期がん患者においてLEVの皮下注射は痙攣発作の治療の選択肢の一つとなり得ると考える.