著者
高島 悠次 阿部 浩明
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.52-59, 2018-01-01 (Released:2019-01-15)
参考文献数
30
被引用文献数
7

急性期に長下肢装具(以下,KAFO)を作製した脳損傷(脳卒中および頭部外傷)後片麻痺例と作製しなかった片麻痺例の回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期リハ病棟)転院後の歩行および階段の機能的自立度(以下,FIM)のFIM得点の推移を後方視的に調査した.2010年より2年間に回復期リハ病棟に入院した重度片麻痺例のうち,急性期病院にてKAFOを作製した8例をKAFO群とし,同等の条件(年齢,発症からの日数,回復期リハ病院入院日数,麻痺の重症度,歩行機能,階段昇降機能)で作製せずに回復期リハ病棟に入院した20例を非作製群として抽出し,2群のFIM歩行とFIM階段の経時的変化を調査した.FIM歩行とFIM階段は経過に伴い,両群とも自立度が向上した.KAFO群は非作製群よりFIM歩行が早期に向上し,退院時のFIM階段が有意に高かった.重度片麻痺例において早期にKAFOを作製し,理学療法を実施することは,歩行自立度を早期に向上させ,階段昇降の自立度を向上させると思われた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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個人用の長下肢装具(KAFO)の作製は早期歩行自立度や階段昇降の自立度を向上させる可能性あり KAFO作製群は転院後も全症例KAFOによる歩行練習を実施していたのに対し、非作製群は数少ない状態 KAFO作製は介入方法の変化をもたらす可能性 考察が非常に臨床的でおすすめです https://t.co/6Tjwd4Rg3O
ここにあるように長下肢装具の使用は個々の理学療法士の判断によるところが大きく、回復期での問題も示されている。長下肢装具における研究は必要だと思う。 https://t.co/MYtnVprUxn
@thunder_kenkyo 3年前に参加した研修会で急性期のKAFOと階段動作の改善について学んだのを思いだしました! 阿部先生はCVA患者さんの装具の有用性について多くの研究・論文発表をしており、やはり急性期でKAFOを早期に使用した方が階段の改善率が向上すると示しています。 https://t.co/UAy6Y9MLUM
装具って難しいよね。そんな課題を解決するような勉強を行います。 とりあえずこの論文は必読です。 https://t.co/6Mj7l8gI0u

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