著者
近藤 一博
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.217-221, 2012-03-31 (Released:2017-01-26)

慢性疲労症候群(CFS)は女性に多い疾患で,強い疲労感や疼痛が持続するのが特徴である.その発症は急激で,錯乱,思考力低下,抑うつなどの精神症状や,睡眠障害を高頻度で伴う.CFSは症状が多彩であり,診断が非常に難しい.この理由の一つとして,CFSはその症候群という名前が表す様に,複数の異なった疾患がCFSとしてひとまとめに分類されていることがあげられる.また,CFSの原因として,ウイルスなどの感染因子との関係が強く疑われているが,原因に関係する感染因子も複数あると考えられている.候補となる感染因子は,ヘルペスウイルスやレトロウイルスなど多くの病原体が挙げられているが,未だに確定はされていない.我々は最近,脳内に潜伏感染しているヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)の特殊な潜伏感染様式が,CFSの精神症状と関係することを見いたした.HHV-6は,脳内の潜伏する数少ないウイルスの1つであり,古くからCFSとの関係が疑われているウイルスである.本稿では,CFSの概観とウイルス学研究から得た精神症状の発生に関する新知見を中心にCFSとウイルスの関係について説明する.

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#慢性疲労症候群 #ウイルスとの関わりと精神症状に緘する新知見 https://t.co/bN08Hkl4df
東京慈恵会医科大学 近藤 一博先生 慢性疲労症候群の中に感染症, 特にウイルス感染に伴って生じるものが相当率で含まれていることが発見当初より疑われ続けている 原因が疑われているウイルス #ヘルペスウイルス 以外に… https://t.co/ouMw0svXt8

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