著者
髙谷 幸
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.531-548, 2018 (Released:2019-03-31)
参考文献数
50
被引用文献数
3 3

本稿では, 1980年代以降の日本における在留資格のない移住者をめぐるカテゴリーの変遷を跡づけることによって, 「不法滞在者」カテゴリーが支配的なカテゴリーとして定着する過程およびその帰結を明らかにする.新しい移住者の来日が増加した1980年代, 彼・彼女らは, 在留資格の有無ではなくジェンダーや職業の区別にもとづき「ジャパゆきさん」や「外国人労働者」と呼ばれた. しかし, 1990年の入管法改定によって, 外国人労働者のなかに合法/不法という区分が持ち込まれた. くわえて「不法滞在者」という区分が警察によって生み出され, 「不法」と名指された者は「犯罪者」としての意味を帯びるようになった. その後, この「犯罪者」としての「不法滞在者」というカテゴリーは, 対抗的カテゴリーとのせめぎ合いをともないつつもさまざまな領域に浸透し, 正統化され, 自明性を帯びるようになった. こうして今や, このカテゴリーの自明性は, 「不法滞在者」排除の実践を支える一方で, その排除が当該カテゴリーの自明性をより強化するという形で相互規定している.同時に, こうした「不法滞在者」カテゴリーの普及は, 「外国人労働者の増加による治安悪化」という根拠なき不安を増幅させ, それが結果として移民政策の確立を困難にさせるという帰結をもたらしてきた.

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そのあなたが「犯罪」としているもの(非正規滞在)は、ドラマ・小説内のスリランカ人クマさんなど、その外国人本人の悪意によって起きているのでしょうか、ということをドラマを観て考えてほしい。 https://t.co/AZeL5T16nX https://t.co/vzMhFcsgUM https://t.co/m3Aoq2GtID
「外国人労働者」から「不法滞在者」へ ー1980 年代以降の日本における非正規滞在者をめぐるカテゴリーの変遷とその帰結一 髙谷幸 https://t.co/vzMhFcsgUM 「不法性」と共に生きる ―非正規滞在者が日本で暮らすことを可能とする要因は何かー https://t.co/Uzg2Hg9Cb3
#不法滞在という言葉は使いません #入管法改悪反対 この髙谷さんのレポートには「不法滞在」という言葉が、当局が連携し合い周到に作り上げられていったのか、それによって世間の眼差しもどのように変容したのかがよく分かると思う。https://t.co/tO4xJgOgB8
不法滞在者=犯罪者という見立て自体が暴力性を帯びていると指摘したのでは。 以下の論文をご参照あれ。 https://t.co/fbZ23ZGEPV https://t.co/H4NYofEaGp

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