著者
牟田 和恵
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.292-310, 2006-09-30 (Released:2009-10-19)
参考文献数
34
被引用文献数
2 or 1

本稿は, 日本におけるフェミニズムの第2波以降の運動の歴史を振り返りつつ, 「男女共同参画」をめぐって近年生じている諸問題を考察し, その作業を通じて, 女性運動, フェミニズムの可能性と「社会運動」の現代的意味を探る.ウーマンリブ運動と国際婦人年以降の運動は, 理念・方法において互いに乖離し葛藤に満ちたものであったにもかかわらず, 現在の理解では「第2波」と一括されがちだが, その背景にはフェミニズムの政治性の変容があった.男女共同参画社会基本法以降に生じているジェンダーフリー・バッシングは, 一面では, そうしたフェミニズムの政治性, 端的に言えば, 脱政治化が招来したものであったと言える.フェミニズムの運動は, マイノリティと権力の関係を考える上での試金石でもある.その歴史は, 単線的な進化論図式で運動を捉えることの誤りを教え, 単一の「社会運動」, 一方向の「解放」はありえないことを示す.フェミニズムが多元的・多層的で矛盾と葛藤に満ちたものであるということそのものが, フェミニズムの「新しい社会運動」としての可能性を示している.

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フェ ミニ ズムの歴史 か らみ る社会運動 の可 能性 「男女共同参画」 をめ ぐる状況 を通 しての一考 察 牟 田 和 恵 https://t.co/f1j5Hmr978
牟田和恵「フェミニズムの歴史からみる社会運動の可能性」https://t.co/9v5z18VLAq 官製フェミニズムとの評価を絶対しないだろう著者の論文だが、読者は日本のフェミニズムが官製フェミニズムである事を理解するのではないだろうか。
1 1 https://t.co/6oEriYfZdP
@ruriko_pillton Twitter上で「まなざし村」などと言われている「フェミニズム」との違いも気になり、ご紹介させていただきたく思います。 「フェミニズムの歴史から見る社会運動の可能性」 https://t.co/WxVmX8ZR9x
【PDF】「フェミニズムの歴史から見る社会運動の可能性」牟田和恵(社会学評論) フェミニズムがピルに反対してない https://t.co/jNuvuRDEus https://t.co/WxVmX8ZR9x
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