著者
垣内 優芳
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.206-209, 2018-05-01 (Released:2018-09-20)
参考文献数
17

【背景と目的】最長発声持続時間が嚥下障害者の自己排痰の可否とどのような関係にあるのかは不明である.本研究の目的は,自己排痰可能群と不可能群の最長発声持続時間を比較検討することである.【対象と方法】対象は入院中のFood Intake LEVEL Scaleが10未満の患者である.基本情報,自己排痰の可否を調査し,対象者を自己排痰可能群と不可能群に分類した.両群において,最長発声持続時間を測定した.【結果】対象者は自己排痰可能群10名,不可能群10名であった.不可能群の最長発声持続時間は3.3秒であり,可能群の8.8秒に比べ有意に低値であった.【考察】不可能群の最長発声持続時間低値は,嚥下機能の低下に関連し,同時に咳嗽メカニズムの第3相(圧縮)不足による咳嗽機能低下を併発していると考えられた.【結論】不可能群の最長発声持続時間は,可能群に比べ有意に低値であり,嚥下障害患者の自己排痰の可否を判断する見極めに最長発声持続時間が有用である可能性が示唆された.

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外部データベース (DOI)

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排痰能力とMPTの関係について。FILSが10未満の患者の自己排痰可否を調査し、排痰可能群と不可能群に分類。両群MPTを計測すると、排痰可能群が8.8秒、不可能群が3.3秒と有意差あり。MPTが自己排痰の可否を判断する指標になる可能性がある。 https://t.co/oVSdWNZXHH

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