著者
須永 剛司 永井 由美子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究特集号 (ISSN:09196803)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.4-12, 2014-03-31 (Released:2017-11-27)

「デザイン思考」という枠組みが提示され、今さまざまな学問が横断的な知として「デザイン」を教育プログラムとして設置しはじめている。しかし、デザインを「思考」の組み立てとしてのみ捉えることはその営みの本質を取り逃がすことになる。デザインすること、つまり「デザインニング」には思考とともにそれを駆動する表現行為がある。いまデザインの共同体に求められているのは、未知の物事を描き、創造し、具体に仕立て上げる力と、それを駆動している本物のデザインの知の成り立ちを明らかにすることだ。そんな思いから著者らはデザインの実践家たちが「デザインの知」を描き出す試みを実施した。本稿では、デザイナーたちが自らのデザイン実践を省察し、デザインをいかに「行い」、デザインすべき課題をいかに「知る」のかを語りその意味を探る試みを報告する。またそこから見出されたデザインの思考と行為を形づくっている3つ原理、「じゃない感」「結果と問いのカップリング」「3種類のコミュニケーション・モード」を、実践するデザイナーの「デザイン知」として考察する。

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J-STAGE Articles - 実践するデザイナーたちのデザイン知とはなにか?(<特集>実践するデザイナーたちのデザイン知) https://t.co/NgS1jGpUqz
これ面白いなー。デザインにおける「じゃない感」の話に通じる気がする。 「それ(文章)がどうなろうとしているのか」という無意識の方向に対して、意図的に違う形を与えることでその差異が突出して見えてくる感じかな。 https://t.co/w83moJp3iZ https://t.co/7RLm3v6eAP
昨日、授業中にポロッと言った「じゃない感」(by須永先生)の話が学生たちにすごく刺さるらしいことを知って、今日の別の授業で丁寧に解説した上で対話のテーマにしてみた。やはりみんな刺さるらしく盛り上がった。学びの設計も日々プロトタイピング。https://t.co/SUTng9yFYl
キーワード「コレジャナイ感」奥深い。「じゃない感」という言葉で須永剛司先生が論文で書いている内容と繋がりそう。

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