著者
名倉 昌巳
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 45 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.417-420, 2021 (Released:2021-12-20)
参考文献数
19

平成20年告示の中学校学習指導要領において,「進化」と「遺伝(の規則性)」が復活し,平成29年改訂では「進化」が第2学年から第3学年に移行し,「遺伝」の学習後に扱われるようになった.「進化」と「遺伝」は「細胞説」と並び生物学上の重要な概念である.しかしながら,過去の学習指導要領においては,「進化」と「遺伝」は削減と復活を繰り返してきた学習内容である。本研究では,このように重要な科学的概念がなぜ学習内容から消え去る時期があるのかを究明することを目的とした.この点に鑑み,戦後8回にわたる学習指導要領・その解説・教科書などの記述を調査し,さらに当時風靡した言説・進化論争・優生学など社会的歴史的背景を論じた文献を調査した。その結果,優生保護法・遺伝決定論・反ダーウィニズムの台頭などの共通項が浮かび上がってきた.一時の要請に左右されない科学的進化理論・遺伝理論を中心置いた生命教育が望まれる.

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J-STAGE Articles - 生命科学としての「進化・遺伝」教育の必要性についての一考察 https://t.co/B1R8Lf2SMd
@alicetiptree https://t.co/BQDwsNiBQE この辺りに詳しいです。中学で遺伝や進化をちゃんとやっていなかった時期があり、高校で生物をとらないと学校で進化論を学ぶ機会がない人はたくさんいたと思います。

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