著者
松井 亮太
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.118-123, 2022-08-15 (Released:2022-09-15)
参考文献数
30

2018年にGlobal leadership initiative on malnutrition (GLIM) criteriaが世界のコンセンサスを得た低栄養診断基準として発表され, 近年がん患者のアウトカムとの関連が報告されている. 系統的な検索を行うと, がん患者のアウトカム予測として12文献がヒットし, そのうち長期予後の検討が10文献と多く, 術後合併症の検討は6文献だった. 多くの文献でGLIM基準低栄養は術後合併症のリスク因子であり, 長期予後の独立した予後不良因子だった. 7文献は低栄養重症度別にmoderate低栄養とsevere低栄養に分けてアウトカムを比較しており, 低栄養が重症になるほどアウトカムが悪くなった. 一方で握力測定や歩行速度など身体機能を含めたmodified criteriaを用いた文献も多く, 身体機能評価を併用することで術後合併症と長期予後の予測精度が向上した. 現行のGLIM基準低栄養は術後合併症, 長期予後を含めたアウトカム予測に優れているが, 今後の診断基準改訂ではサルコペニア診断基準との整合性も含めて検討すべきかもしれない. GLIM基準低栄養は栄養介入すべき対象であり, 低栄養患者への栄養介入で術後合併症や長期予後を改善させられるのか, エビデンスの蓄積が期待される.

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