著者
岩本 光正 久保田 徹 真島 豊
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.164-171, 1991-05-01 (Released:2009-08-07)
参考文献数
37

有機分子膜を流れる電流には, 大きく分けると変位電流とトンネル電流がある。変位電流の検出には短絡回路が用いられるが, 電極と分子膜との接触は必ずしも必要ではない。その上, 種々の外部刺激 (圧力,熱光など) を加えたときの分子の動的な挙動にともなって流れる電流が単分子膜においても計測されるので, 分子膜の極限の機能を引き出すことが可能となる。この方法による電流検出は原理的に分子レベルのオーダーで実現可能であるので, 分子エレクトロニクスの基盤技術の一つとして重要になると思われる。一方, トンネル電流の検出では, 電極と膜との接触が必要であるので, 膜質の良い分子膜を作製することが重要となる。ポリイミドLB膜では膜質が極めて良いので, トンネル接合素子への応用が期待できる。

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