著者
江島 泰志 稲石 佳子 金子 陽一
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10992, (Released:2022-05-18)
参考文献数
20

【目的】覚醒剤乱用後に発症した脳血管障害の2例を経験したので,文献的考察を加え報告する.【症例1】36歳男性.数年来の覚醒剤常用者.覚醒剤を加熱吸引後,しばらくして突然右上下肢脱力が出現した.来院時は昏睡状態で,頭部CTで左大脳半球に巨大出血を認めた.来院3時間後には心呼吸停止状態となり,入院69日目に死亡した.【症例2】57歳男性.20代から覚醒剤を常用.覚醒剤静注後から倦怠感と体動困難を訴え始めた.2日後,意識障害と発熱(38.7°C)で入院.尿トライエージ検査は,アンフェタミン陽性だった.頭部MRIでは,小脳と脳幹に多発性梗塞を認めた.敗血症および菌塊塞栓による脳梗塞と診断され,抗菌薬治療を行った.しかし,全身状態は徐々に悪化し,入院10日目に死亡した.【結論】年齢が若く,高血圧や糖尿病等の基礎疾患のない脳血管障害症例では,覚醒剤乱用が原因となった可能性を考慮する必要がある.

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@WsFD9fVk1fe0AR9 @kimchan_btc 脳の血管障害になるんですよ。 血管障害の結果、その部分の脳細胞が破壊されます。 https://t.co/sDrbm548UT
@24newseveryday 覚醒剤乱用後にみられた脳血管障害の 2 例 - J-Stage https://t.co/JFuORjBZkh
メタンフェタミンは血管壊死により心血管・脳血管イベントを引き起こすことがあるので、リスク因子に乏しい若年者でそれらのイベントをみた場合には覚醒剤濫用も鑑別に。 https://t.co/G4BIW3c5LQ https://t.co/T3xSFdMArt
覚醒剤乱用後にみられた脳血管障害の 2 例 - https://t.co/b7OxGGwfho #ScholarAlerts

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