著者
川名 敬
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.35-42, 2014-06-25 (Released:2015-03-10)
参考文献数
21

ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち発癌性HPVでは,持続感染によって子宮頸癌をはじめとする癌を発症することがある.HPVを標的とした子宮頸癌治療には,E6, E7が標的分子として期待される.HPVを標的した分子標的治療として我々は2つ考えた.・ウイルス癌遺伝子の発現をsiRNAで抑える核酸医学と,・ウイルス癌蛋白質を癌抗原とした癌免疫療法,である.・ウイルス癌遺伝子の発現を抑える核酸医学は多く検討されてきたが,そのdrug-delivery system(DDS)が問題であった.我々は高分子ナノミセルを用いたDDSをE6/E7 siRNAに組み合わせた創薬基礎研究を行った.・HPV分子に対する細胞性免疫を誘導することによって免疫学的排除を目指した癌免疫療法(HPV治療ワクチンとも言う)は子宮頸癌やその前癌病変に対する臨床試験も多く実施されてきた.しかし,いずれも実用化されていない.我々はHPV16型E7に対する粘膜免疫を誘導する癌免疫療法としてE7発現乳酸菌を製剤化し,経口投与することを考えた.子宮頸癌前癌病変(CIN3)患者を対象とした臨床試験では,腸管粘膜で誘導された抗E7-IFN-gamma産生細胞が子宮頸部粘膜にホーミングし,CIN3を退縮させることを見いだした.HPV発癌を逆手に取ったHPV分子標的治療について,新しい戦略を用いた創薬とその臨床応用の可能性が示唆された.

言及状況

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森下仁丹が権利を取得したCIN(子宮頚がんの前がん状態、異形成)を縮退させるという経口ワクチンは、論文 https://t.co/RnAOydy70q を見るとHPV16/18型に対するもので、「HPVを標的とする分子標的治療薬に発展する可能性があると考えられた」と。
以前にも紹介したが、川名敬先生の 新規HPV ワクチンの開発に関する総説 https://t.co/TxThAiUXXZ
E7発現乳酸菌を製剤化し,経口投与することを考えた.子宮頸癌前癌病変(CIN3)患者を対象とした臨床試験では,腸管粘膜で誘導された抗E7-IFN-gamma産生細胞が子宮頸部粘膜にホーミングし,CIN3を退縮させることを見いだした. https://t.co/oqwJFDMGpT
ニュースになった森下仁丹の子宮頸がん経口ワクチン https://t.co/8HOKV210Kq は、以前言及したもの https://t.co/ymWrlJlszp だったみたい。論文はこちら https://t.co/RnAOydy70q 。前がん状態を退縮させると。
論文見つけた。ざっと読んだ感じではけっこう有望っぽい? https://t.co/vD33BXj7of QT @akimi_o: なんか臭う。乳酸菌を飲むだけって…。日経だし…。/子宮頸がん発症予防、遺伝子組み換え乳酸菌で 東大 http://t.co/8qkcocC0Yx

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