著者
長 知樹 鈴木 伸一 南 智行 益田 宗孝
出版者
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
雑誌
日本血管外科学会雑誌 (ISSN:09186778)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.631-634, 2009-10-25 (Released:2009-11-06)
参考文献数
6

症例は75歳男性.6 年前にリウマチ性多発筋痛症と診断され,ステロイドが開始された.1 カ月後に突然の胸背部痛で来院しStanford B型急性大動脈解離と診断し,厳重な降圧治療を開始した.発熱,炎症反応の高度上昇,CT所見から感染性大動脈解離を疑い抗菌薬治療を同時に開始した.血液培養からSalmonellaが検出された.5 週間後,突然の腰背部痛が出現し,CTで再解離,右下肢虚血を認めたため,緊急右腋窩動脈-右大腿動脈バイパス術を行った.その後も抗菌薬治療を継続し独歩退院となった.感染性大動脈解離は比較的稀であるが,急激な経過をたどることがある.感染性B型解離に対しては,降圧保存治療と抗菌薬投与による感染の沈静化が重要である.しかし治療の急性期に大動脈の急速な拡大や再解離発生の危険は高く,厳重に経過観察し,合併症発生時には迅速に外科治療を施行する必要がある.

言及状況

外部データベース (DOI)

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敗血症に続発した大動脈解離 •感染性大動脈解離とも記載 •免疫低下がリスク •急速増大・破裂しやすく、予後不良 •機序:血管内皮細胞の剥離、微小循環障害、抗凝固作用の消失、局所的な血液粘度の増加などを引き起すなど #Rdiag https://t.co/VqLjYDWrg2 https://t.co/KJgogkR9Fv

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