著者
堀尾 政博
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.299-314, 1981-09-01 (Released:2017-04-11)
被引用文献数
1

硝酸塩中毒は, 反芻動物では国の内外を問わず多発しているが, これは大量の糞尿を施肥した土地に生育した作物を摂食した際, その中に多量の硝酸塩が含まれていたことに起因することが報告されている.すなわち, 反芻動物では摂取された硝酸塩は, 第1胃内の細菌によって還元される過程で中間代謝産物としての亜硝酸に変化する. 硝酸およびその還元物質は, 第1胃壁から速かに吸収されて血液中に入るが, 亜硝酸はさらに赤血球内でヘモグロビンを酸化してメトヘモグロビン(MHb)を形成する. これは酸素運搬能カを持たないため組織は酸素欠乏におちいり, 動物は死に至る. この中毒は一般にヒトでは発生しないと思われているが, 近年発ガン物質N-ニトロソアミンの先駆体となっていると言われている硝酸塩等について, ヒトでも再考する必要のある事例が知られてきた. その意味で反芻動物は現象が強調された1つのモデルとしてみなすことができるので, 硝酸塩の代謝, MHbの消長およびそれらが生体に与える影響などについてここに総説としてまとめて紹介した.

言及状況

外部データベース (DOI)

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1981年の下記の資料を元に #宮島の鹿 に野菜を与えると 流産や突然死の可能性があると 拡散しているアカウントがあります。 資料を拝見しましたが 鹿は反芻動物ではありますが この資料を見る限りは 鹿にキャベツなどの野菜を与えても そのような危険性はないと思います。 https://t.co/1JTvLvoGl4 https://t.co/xu7PhBWaXv https://t.co/UybyRATcmM
@roseblue1123 こういう記事やリンク先が見れなかったけど、治ったみたい
@oimo__umauma @don_chan0 @carlsandeth 鹿などが含まれる反芻動物の硝酸塩中毒についてはこのような報告があります.なお,硝酸塩は野菜に多く含まれるものです.人に影響がない量を与えた場合でも,反芻動物には影響が大きいことが知られています. https://t.co/IOfK6rVDF1
@abc082def @Cho880717 あるいは,こちらはタイトルがそのものです. https://t.co/s428mRnp9B
@ns_pooh_ 人間の食べる野菜はシカのような反芻動物にとって硝酸塩中毒を起こす可能性がありますが、この #宮島の鹿 に餌やりしている方々は少ないから大丈夫だと言ってこういうエサを与え続けています。 本当に大丈夫なのでしょうか…⁈ #宮島 https://t.co/1C6Gte83wn
反芻動物の硝酸塩中毒 https://t.co/JAinMaKerj PDF https://t.co/tsvEBonDYX
反芻動物の硝酸塩中毒 https://t.co/JAinMaKerj PDF https://t.co/tsvEBonDYX
@Cho880717 @G0CBWKM7saZRcPB 愛情たっぷり手作り野菜にはシカのような反芻動物にとって猛毒の硝酸塩もたっぷりかもしれないんですけど⁈ それがわかっていながら「少量だから大丈夫
お、これかな(・ω・) 反芻動物の硝酸塩中毒 https://t.co/I8UsNvwyG0
古い記事だけど、反芻胃の動物は人間より大量の亜硝酸が生産されやすいみたい。 人間が野菜を食べる際、水洗いや調理の過程で摂取量は少なくなるらしいです。 https://t.co/R2Lls18n1W
反芻動物 の 硝酸塩 中毒https://t.co/O22jhXgNcD
古いが、事例としてはあるのか…。 https://t.co/R2Lls18n1W

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