著者
小埜 栄一郎
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.232-237, 2015-05-25 (Released:2015-06-01)
参考文献数
26

植物は有機化合物の宝庫であり,人類は経験的にそれらの効能に基づいて食品(色素,香辛料,甘味料)や薬として利用してきた。今日では科学技術の進展により化合物の構造,生合成経路,および生理活性(機能性)の理解が進んでいる。植物由来の有用物質の多くは二次代謝物または特化代謝物(Secondary metabolitesまたはSpecialized metabolites)と称され,具体的にはタバコのニコチン,コーヒーのカフェイン,チャのカテキン,ゴマのセサミン,ウコンのクルクミンなど私たちの生活に関係が深いものが多い。これまで人類は様々な手法で植物を改良してきたが,新しい技術開発に伴って交配育種から,形質転換に寄る機能改変,ゲノム情報に基づくゲノミックセレクションへと大きく変容してきている。ここでは次世代シークエンサーによるゲノム時代の有用遺伝子の探索事例を紹介すると共に,先駆的な代謝工学による酵母に寄る植物二次代謝物の生産事例を紹介する。

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