著者
小泉 義之
出版者
福祉社会学会
雑誌
福祉社会学研究 (ISSN:13493337)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.82-94, 2013-06-30 (Released:2019-10-10)
参考文献数
5

社会(科)学の使命の一つは,システムや構造の分析であろう.システ ムや構造は,個人の意見や行動の集積以上のものである.そして,システ ムや構造は,各種の問題を作り出しては,個人の意見や行動を掻き立てる ものでもある. しかも,システムや構造は,個人の意見や行動を「民主主 義」によって掻き立て「熟議」を通して特定の解決へと縮減させるもの でもある. 本論考は, このようなシステムや構造に目を向けている三つの文献,す なわち,開沼博『フクシマの正義』,松本三和夫『知の失敗と社会』,宇野 重規・田村哲樹・山崎望『デモクラシーの擁護』を検討する. 本論考は,それら三つの文献が,再帰的近代化論とリスク社会論のフレー ムによって規定されることを示す.そして,そこにテクノクラシーとデモ クラシーの相補性があることを確認し,それは何らかの閉じた回路をなし ていることを示唆する. ただし,本論考はその閉じた回路を十分に記述してはいない.そもそ も,十分に記述することで閉じた回路を想像的に再現するべきか,それと も,その回路は実は閉じていないことを別の仕方で示すことに期待するべ きか,それがまさに開かれた問いとして残されるからである.

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[社会] “(開沼博によれば)「日本の変わらなさ」を支えているものは,「後出しじゃんけん」で「こんな悪いことがある,変えなければいけない」と騒いで…きた社会運動的なもの….しかし,本当だろうか”。文:小泉義之。

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https://t.co/H5Tx7RuTOU 小泉義之,2013,「社会(科)学の啓蒙的な論調について」『福祉社会学研究』10:82-94. この論文なぁ、言いたいことはよくわかるし実際そんな気がするのでたまに使うけど、論証自体は目を覆いたくなるほど雑なんだよなぁ(それでも一回読んでみても悪くはないと思うけど)
@yuruyurude_y ・リスク社会論の文脈で政策提言を行うとき、再帰的近代化論を多用する中で「古い」という言葉を好み、リスクの解決を道徳に求めがち(https://t.co/H5Tx7RuTOU) こいつらが悪魔合体すると解放に向かうべきはずの女性身体がいつのまにか「保護」の対象になるのですよ
“(開沼博によれば)「日本の変わらなさ」を支えているものは,「後出しじゃんけん」で「こんな悪いことがある,変えなければいけない」と騒いで…きた社会運動的なもの….しかし,本当だろうか”。文:小泉義之。 / “社会(科)学の啓蒙的な論調について” https://t.co/y6PIZIwjFs

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