著者
川路 則友 安部 淳一
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.107-110_1, 1988-09-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

シベリアセンニュウは,これまで日本での正式な確認記録がなかったが(日本鳥学会1974),最近になって標識調査により下記の2個体が捕獲され,日本にも稀ながら渡来していることが明らかになった。最初の個体は,北海道枝幸郡浜頓別町にある環境庁浜頓別1級ステーションにおいて協力調査員山内昇氏により1985年9月29日に捕獲されたものである。成鳥で,性別は不明であった。次の個体は,鹿児島県国分市にある国分干拓で1987年11月15日に筆者らにより捕獲されたものである。この個体も成鳥で性別は不明であった。シベリアセンニュウには4亜種が知られているが(Dement'ev et al. 1968など),筆者らの捕獲したものは,羽毛の特徴,分布などからrubescensに属すると思われた。本種は,渡り途上ではアシ原等の環境でほとんど目立たない行動を示していると思われ,これから標識調査などにより記録が増大することが充分考えられる。

言及状況

外部データベース (DOI)

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日本におけるシベリアセンニュウの亜種について少し調べた。たぶん唯一の学術報告であるKawaji & Abe (1988)では、当該個体を亜種rubescensの成鳥としているが、550図鑑に掲載されている同個体の写真を見ると、とりあえずほぼ全身幼羽なので幼鳥だと思います。 https://t.co/QpRdEZlwd9

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