著者
木村 容子 田中 彰 佐藤 弘
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.299-304, 2012 (Released:2013-02-14)
参考文献数
15
被引用文献数
11 12

目的:当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効な冷え症のタイプを検討した。研究デザイン:後ろ向きコホート研究。対象:冷え症患者181名を対象とし,初診時に自覚症状をデータベースに登録した。さらに,外的妥当性を新規28名で評価した。介入:エキス顆粒7.5g/日服用1ヵ月後に評価。評価項目:治療効果の有無。結果:冷えは74%の患者で改善し,頻度および程度(0-4)は各々3.2±0.7から2.1±0.1(p <0.01),3.1±0.7から2.2±0.9(p <0.01)に減少した。治療効果予測の最適モデルとして,胃もたれおよび抑うつを伴わない腸骨窩圧痛の有無が選ばれ,判別予測率は84.4%であった。このモデルを別の28名の患者で検証したところ,予測精度は82.1%であった。結論:胃もたれや抑うつ感がみられず,腹診にて腸骨窩圧痛が認められる冷えの患者で,当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効である可能性が示唆された。

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J-STAGE Articles - <b>患者自身による自覚症状の評価システムを用いた</b><b>冷え症に対する当帰四逆加呉茱萸生姜湯の有効性について</b> https://t.co/bPQOfwWOdM

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