著者
武原 弘典 松川 義純 田中 裕 山本 修平 堀谷 亮介 西森(佐藤) 婦美子
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.246-251, 2018 (Released:2019-02-27)
参考文献数
13

発達障害に合併する睡眠障害に対して漢方治療が有効であった2例を報告する。症例1はアスペルガー障害の15歳女子で,主訴は起床困難,入眠困難,易疲労性であった。陰血不足で肝気の昂りが抑えられず,緊張興奮状態に陥り易く上記症状が生じると考えた。抑肝散に甘麦大棗湯を併用し,起床困難は改善し毎日通学できるようになった。症例2は注意欠如多動性障害の17歳男子で,起床困難や倦怠感,易疲労性が主訴でしばしば緊張興奮状態となった。小建中湯内服で症状はやや改善傾向があったが,肝気を巡らす四逆散を併用後は毎日通学できるようになった。漢方医学では睡眠も含め精神の安定には血が重要であり,また幼少期は気血の不足がおこりやすいと捉えており,発達障害における二次障害の治療に際し補陰血に着目することが有用であると考えた。

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@ryu99tor 漢方はかなりカオスでして…共通して使われる薬があるけど、人によって細かい部分が違ったり、併用できたりと一律ではなく、 https://t.co/21pS2h8vFW
@michufcb9 ほれ。論文の方が好きそうだから送る。まさにこの症例。 https://t.co/MYxSZjQjeI
@cat_woman_v https://t.co/Wn1JHN9tK4 この睡眠の資料、面白いですよー。
https://t.co/Wn1JHN9tK4
https://t.co/5jRTBogalM 現病歴がほぼ私…小学生から悩んでいる子が結構いる… https://t.co/ftORzGpgaA
脳の発達段階での強い薬はできるだけ避けたかったのでありがたかった。 味も漢方で唯一甘いので子供には飲みやすかったようだ。 ↓臨床報告もありました。 https://t.co/eYWtnRR5e0

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