著者
雨宮 一彦 田口 文章
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.177-182, 1994-02-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
13
被引用文献数
2 5

業務用に使用されているシャンプーとリンスの細菌汚染の実態を知ることを目的に, 無作為に抽出した理容店と美容店17施設から分与して貰った39検体の洗髪液について, 血液寒天培地を用いて, 細菌の分離試験を実施した. 原液を希釈して用いるシャンプーやリンス (希釈型, 21検体) と, ボトルから直接使用するもの (ポンプ型, 18検体) の細菌検出率は, 各々76.2%と33.3%であった. 細菌が検出されたシャンプーとリンス中の総細菌数は最少1.0×102CFU/mlから最大7.0 ×107CFU/mlであった. 分離菌は, Serratia marcescensが43.3%と最も多く, 他にEnterobacter aerogenes, Klebsiella pneumoniaeなどの腸内細菌とPseudomonas aeruginosaやPseudomonas cepacia などのブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌等日和見感染の原因となりうる細菌であった.<BR以上の結果は, 業務用シャンプーとリンスが細菌に汚染されている実態と, 洗髪剤の衛生的な取り扱いの必要性を明らかにした.

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"希釈型のシャンプーやリンスの汚染率は76.2%で高かったが,ポンプ型でも33.3%に汚染がみられた.ポンプ型の汚染は,手指や頭髪の付着菌がボトルへ逆流 している可能性が推測 される"

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"希釈型のシャンプーやリンスの汚染率は76.2%で高かったが,ポンプ型でも33.3%に汚染がみられた.ポンプ型の汚染は,手指や頭髪の付着菌がボトルへ逆流 している可能性が推測 される" / “洗髪液の細菌による汚染” https://t.co/pjTaSbrdei
@heniha 洗髪液の細菌 による汚染 https://t.co/Zbp235Csdc

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