著者
丹生 徹 沖永 功太 丹生 茂 安部 茂 山口 英世
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.463-469, 1996-05-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
16

ヒト好中球のCandida albicans発育阻止能が, 中心静脈栄養 (IVH) に用いられる高カロリー輸液によりどのように影響を受けるか検討した.ヒト好中球が, C.albicansの発育を阻止するin vitro実験系において, グルコース濃度を1~2%に高めることによって, ヒト好中球の抗Candida活性は強く抑制された.これに対して, 市販高カロリー輸液の添加により, グルコース濃度を上昇させても, ヒト好中球の抗Candida活性の低下は, ほとんど認められなかった.この中に含まれるグルコース拮抗物質について検討を行った結果, アミノ酸分画に有効成分が存在することが明らかになった.このアミノ酸分画には, dexamethasoneの好中球機能抑制をも緩和する効果が認められた.さらに再機構アミノ酸混液でも同様の結果が得られた.したがって, 高カロリー輸液にアミノ酸液が混入されているのは, 通常の栄養補充の目的以外にも, 好中球機能の保持という面でも有用であり, 適切な濃度のアミノ酸液を投与することが重要と考えられた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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私はヘルスケアや医学、代謝に関しては浅学なので、この文章にも間違いがある可能性等予めご容赦ください。 "高血糖→赤血球がくっつき隊列を組み、血流をせき止め悪化させる 白血球もせき止められ、免疫力低下" 確かにそういった物理的な要因も原因の一端を担っている可能性も考えられると思いますが、試験管内の好中球にグルコースを与えることでも免疫活動機能が低下することから、原因はそこまで単純な ...

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高濃度グルコースによるヒト好中球の抗カンジダ活性に対する抑制効果と, アミノ酸添加によるその抑制効果の低下 https://t.co/HPH5mnHtXP

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