著者
夏見 兼生 山本 省二
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.80-84, 1973-02-01 (Released:2012-10-29)
参考文献数
17

殺菌剤にその表面張力より低い他剤を混用すると, 殺菌剤の表面張力が低下し, 付着液量も減少するが, それが黒点病防除効果に影響を及ぼすかについて試験した.1. ジマンダイセンにエルサン, ビニフェート, スプラサイド, アゾマイトおよびシトラゾンを混用した結果, 混用散布は付着液量が減少し, 黒点病防除効果がいちじるしく劣った.2. エムダイファーと他剤との混用において, カンキツ葉上の付着量は単剤散布で21.04γ/2cmに対し, 混用区は3~10γと低下した. サマーオイルとの混用は付着薬量および39日後の残留量が多かった. 黒点病に対する効果も葉上の分析値とほぼ同じ傾向となり, サマーオイルとの混用がもっともすぐれ, 他の混用区はいずれも単剤散布に劣った.3. ジマンダイセンの他剤混用による付着量の減少を補うため, 濃度を高くして黒点病防除効果を比較した. この結果, ジメトエートとの混用でジマンダイセンは360倍, スプラサイド240倍, エルサン180倍, シトラゾン180倍, ビニフェート120倍, アミホス, サントクテンで60倍とし, これらの混用区はいずれもジマンダイセン単剤散布に比し防除効果は高かった. 水和剤のミクロデナポン, エラジトンとの混用ではジマンダイセンの濃度をあげた効果はやや劣った.4. ジマンダイセンおよびダイセンに湿展性展着剤を加用した結果は黒点病に対する防除効果はいちじるしく劣った.

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作物の濡れ性との兼ね合いもあって、一定以上濡れやすい場合は表面張力上げた方が付着量が増える とはいえ殺菌剤の場合はおそらく最初に書いた接触機会とのトレードオフにより防除効果と付着量はパラレルにならない例もあり、話は単純でない https://t.co/Ed6GaW8rlc

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