- 著者
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水谷 令子
富田 寿代
- 出版者
- The Japan Society of Home Economics
- 雑誌
- 一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
- 巻号頁・発行日
- pp.108, 2005 (Released:2005-12-08)
[目的]コーカサスは旧ソ連のヨーロッパ部分の最南端に位置し、西は黒海、東はカスピ海に挟まれた地域であり、紀元前に遡る歴史をもち、古くから文化が栄えた。本研究では、グルジアの水道水および地下水の水質を調べ、この地域の生活用水の現状と将来について検討する。[試料採取および実験]トビリシからバツーミまでの各都市の水道水および住民が飲用している湧水や地下水を採取し、上水道試験方法に従って水質を調べた。[結果及び考察]首都トビリシはグルジア東部、内陸部の山に囲まれた平野にあり、大陸性気候である。ここで使われている水道水は、pH8付近、電気伝導度(EC)30~40ms/m、硬度120~160mg/Lの中硬水であった。黒海沿岸地方は湿潤温暖気候で、この地方の代表的な都市バツーミの水道水は、ECが低く、硬度35~45mg/Lの軟水であった。黒海の水は溶存酸素がやや低く、アニオン、カチオンの量を反映してECの値が著しく高くなっている。今回調査したほとんどの試料は硬度と総アルカリ度の値がよく関連しており、ミネラル分は炭酸塩由来であることを示している。グルジアの主な都市には上水道が布設されており、街角には水飲み場があり、人々は頻繁に飲用していた。水道水源は湧水や地下水で、水質は良好で、水量は豊富といえる。また、ミネラルウォーターの採水地も多い。これは、国土は山がちで、比較的降水量が多く、たくさんの河川に恵まれていることに加え、産業や観光目的の開発があまり進められていないことも水質保全に役立っていると思われる。