著者
野田 稔 長尾 文明
出版者
一般社団法人 日本風工学会
雑誌
風工学シンポジウム論文集 第22回 風工学シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
pp.85-90, 2012 (Released:2013-09-04)

2012年5月6日に発生した北関東広域突風被害の原因である3つの竜巻のうち、最も北側を通過した竜巻によって栃木県益子町において農道の厚さ50㎜のアスファルトが長さ27m、幅4mに渡って剥離飛散した。このようなアスファルトが剥離・飛散した事例は日本国内では数が少なく、またアメリカの事例ではF5やEF5といった非常に強い竜巻の被災例として見つけられるのみであり、アスファルトの飛散から風速を推定した例はない。そこで、竜巻による圧力低下や局所的な地形を考慮した数値流概解析を用いて、アスファルトを単純に飛散させるのに必要な圧力低下量から風速を推定することを試みた。その結果、40m/s~60m/s程度の風が吹いていた可能性があることが明らかになった。ただし、周辺の雑草などの影響は考慮されておらず、さらに推定風速は上がる可能性がある。

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@lain_the_wired @MizumoriMidori 風速が60m/秒を越えるとアスファルトが剥がれるという話を、台風10号の風速80m/秒の怖さを説明する9/4のニュースショーで話していました。またhttps://t.co/P5YdF0DbTz の様に、風速40m/秒でアスファルトが剥がれると推測している論文もありますので、不思議な話ではなさそうですね。

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