著者
杉本 厚夫
出版者
関西社会学会
雑誌
フォーラム現代社会学 (ISSN:13474057)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.69-76, 2006-05-27 (Released:2017-09-22)

阪神タイガースは兵庫県に本拠地(甲子園球場)を置きながらも、大阪という地域アイデンティティを強く持っている不思議なチームである。また、2004年は4位であったにも拘らず、甲子園球場には延べ350万人もの観客動員数があったという。そこで、本稿は阪神タイガースファンの応援行動から、その背景にある大阪文化を逆照射してみたい。ジェット風船を飛ばしたり、メガホンを打ち鳴らしたり、応援のパフォーマンスを持った観客は、観ることから参加することへと変容した。この「ノリ」のよさは、大阪の「いちびり」文化を基盤としている。タイガースファンにとっては勝ち負けより、興奮できるゲームだったかが大切である。つまり、見る値打ちがあるかどうかで判断し、面白い試合だったら「もと」が取れたと言う。興奮するという「感情」を「勘定」に読み替える大阪商人の文化が息づいている。法被を着ることで、応援グッズを持つことで、仲間であることを表明した途端に一体感が生まれる。相手と一体化する「じぶん」の大阪文化を、甲子園球場という祝祭空間で体感することで、人々は都市の孤立感から救われる。六甲おろし(タイガースの応援歌)やそれぞれの選手の応援歌は、ただ単に観客を煽るだけではなく、同時に観客を鎮める働きを持っている。そこには、「つかみ」と「おち」の上方のお笑い文化が潜んでいる。

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阪神の論文とかあったら面白いな〜という軽い気持ちでJstageで検索かけたらかなり見つかりました 阪神タイガースファンにみる大阪文化 : なぜ、350万人も甲子園球場に行くのか? https://t.co/I1xzCijpQ6
阪神タイガースファンにみる大阪文化 : なぜ、350万人も甲子園球場に行くのか? https://t.co/C2smHvOQOU
阪神に関するのあったわ https://t.co/dZPlUl2L1O
杉本厚夫 2006 阪神タイガースファンにみる大阪文化 : なぜ、350万人も甲子園球場に行くのか?. フォーラム現代社会学 5, 69-76. https://t.co/AFkY0QB2KW 野球ファンの心理学研究はけっこうあるので,それを参考に山笠のファンになっていく過程として山のぼせ形成過程を調べたいなあと。 #祭心理学文献

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