著者
松下 佳代
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.150-163, 2014 (Released:2015-06-18)
参考文献数
51
被引用文献数
4

本稿の目的は、OECD-PISAのリテラシー概念がどのような性格をもち、参加国の教育政策にどのような影響を与えているのかを検討することを通じて、PISAリテラシーを「飼いならす」(Hacking, 1990)こと、すなわち、その影響をコントロール可能なものにすることにある。本稿ではまず、PISAが、マグネット経済や機械との競争というロジックに支えられながら、教育指標としての規範性を強め、国家間の比較と政策借用を通じて教育改革を促す道具になっていることを明らかにした。さらに、1950年代以降のリテラシーの概念史の中に位置づけることによって、PISAリテラシーが〈内容的知識やポリティクスの視点を捨象し、グローバルに共通すると仮想された機能的リテラシー〉という性格をもつことを浮きぼりにした。ナショナルなレベルでの教育内容の編成にあたっては、捨象されたこれらの部分を取り戻し、能力と知識の関係を再構成する必要がある。

言及状況

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不参加となるテストは「グローバル・コンピテンス」調査。そもそもPISAテストの測るリテラシーに偏りがある点について指摘するのは、松下佳代「PISAリテラシーを飼いならす」。 https://t.co/T7TZQAcCui

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