著者
三浦 航太
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
ラテンアメリカ・レポート (ISSN:09103317)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-16, 2018-07-31 (Released:2019-03-07)
参考文献数
8

2017年末に行われたチリの総選挙で、ピニェラ元大統領が勝利し、4年ぶりに右派政権が誕生した。他方で、2017年総選挙は、新しい選挙制度の導入と新興の左派勢力「広域戦線」の台頭という点で特徴づけられる。第一に、政治不信を生み出す一因とされた旧来の選挙制度にかわって、今回の選挙より新たな選挙制度が導入された。選出方法、区割り、議員定数の改正などを通じて、政党間競争を高め、政治の代表性を改善することが目指された。第二に、学生運動を起源に持ち、既存の政治や経済格差への不満を背景に近年支持を集めてきた、新しい左派勢力「広域戦線」が、今回の選挙を通じて台頭を見せた。チリでは民主化以来、左右の二大政党連合による固定的な政治の構図が続いてきた。新しい選挙制度の導入と、広域戦線の台頭は、そうした従来の政治を変える可能性をもたらすものである。

言及状況

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@lautarogodoy 左派の分裂は4年前の議会選挙で選挙制度が修正多数2名代表制から比例代表制に改められたことも大きいと思います。改正前の制度は2大政党連合に有利な仕組みなのでブロック化せざるを得なかったけど、現行の制度ではその必要が無くなりましたからね。 https://t.co/uvwgzzHYPs
» 2017年チリ総選挙――新しい選挙制度と政治勢力はチリの政治を変えるのか?―― https://t.co/8CG7sAFAAD

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編集者: 59.158.71.186
2020-05-20 09:44:38 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。
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