著者
北野 浩一
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
ラテンアメリカ・レポート (ISSN:09103317)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.16-31, 2020 (Released:2020-01-31)
参考文献数
11
被引用文献数
1

2019年10月中旬に中高生の地下鉄無賃乗車運動から始まったチリの大規模な反政府デモは、瞬く間に社会問題全般に対する改善要求へと変わっていった。特に、高齢者の貧困の問題と年金改革要求は広く国民が支持する要求となった。統計データから見ると、チリの貧困・所得格差の実態は近年改善がみられる。しかし、OECDへの加盟や左派勢力の躍進などにより、貧困・所得格差の問題に関する民衆の不満は急速に高まっている。これまで、チリは比較的安定した政治システムと堅実な経済政策を維持してきたが、躍進する左派勢力と力を増す民衆運動を前に、政策の大転換を迫られている。

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調べてみたらチリのジニ係数ってメキシコと同水準なんだ!? 南米の先進国って言われてるのに、こんなに所得格差があるんだ。なのに、弱者に優しい改正憲法が反対多数で否決されるなんて……。 https://t.co/ztF5QOamIr https://t.co/HpHAQWuK5f
学生のときは読み始めて即寝ていたラテンアメリカレポート、なんて面白いんだろう。チリのEstallido Socialについて冷静に分析されています。特に比較対象がラテンアメリカからOECDに移行したという視点は斬新。https://t.co/vsiWh8I0ij
【 #ラテンアメリカ ・レポート ①】 論考:「学生運動と新しい左派勢力からみるチリの「社会危機」」/三浦 航太 https://t.co/V1BAzo35Oj 論考:「チリの「社会危機」勃発と所得分配問題 」/北野 浩一 https://t.co/nDvpnmkzfM 2019年10月に発生したチリの社会危機の背景に関し、論考2本立てです!
J-STAGE Articles - チリの「社会危機」勃発と所得分配問題 ―年金制度改革の議論を中心に https://t.co/cMf3OGdm6a 北野浩一氏。2019年10月に地下鉄運賃値上げから大規模暴動に発展したチリに関する論稿。
チリの「社会危機」勃発と所得分配問題――年金制度改革の議論を中心に  北野 浩一(アジア経済研究所) / https://t.co/spwwTkiI1G
チリの「社会危機」勃発と所得分配問題(アジア経済研究所)2000年代のチリ年金制度改革の状況まで遡り、その成果と残されてきた課題について検討。積立方式に一部賦課方式を加えた混合型に改革したが、現在賦課方式への抜本的改革を求める運動が盛り上がるhttps://t.co/7dNIu0QnFc

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