著者
足立 高行 植原 彰 桑原 佳子 高槻 成紀
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.17-25, 2016 (Released:2016-07-01)
参考文献数
36
被引用文献数
2

2006年から2012年までの7年間,山梨県北部の乙女高原のホンドテンMartes melampus melampusの食性を糞分析法により調べた(n=756).秋と冬のベリー(多肉果実,出現頻度80%以上),夏の昆虫類(40~80%),冬と春の哺乳類(60~80%)が特徴的だった.哺乳類ではネズミ類が高頻度(30~50%)で,ニホンジカCervus nipponは10%未満だった.昆虫類ではセミの幼虫(46.7%)とカマドウマ類(10~40%)が高頻度であった.ベリーの種子が非常に高頻度に出現したが,そのうちサルナシActinidia arguta(33.6%)とヤマブドウVitis coignetiae(19.5%)の種子は秋から冬にとくに頻度が高かった.出現した種子10種3属のうちの約半数(5種1属)は林縁種であり,その頻度は種子全体の79.9%に達し,調査地の群落面積を考えると強く林縁種に偏っていた.ホンドテンは森林性とされるが,果実利用という点では林内ではなく林縁に偏った利用をすると考えられる.シカの出現に年変動は認められず,2006年時点ですでに利用が始まっていたと判断された.

言及状況

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山梨県乙女高原のテンの食性の季節変化。足立ほか 2016(日本語論文、オープンアクセス)https://t.co/fhKaXWmd16 糞分析法による結果、秋と冬には果物(サルナシやヤマブドウ)、夏に昆虫類(セミの幼虫やカマドウマ… https://t.co/IBnvRJWZ7g

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