著者
杉野 昭博
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:24240508)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.439-463, 1990-03-30 (Released:2018-03-27)

本論の目的は「障害」についての文化分析の視点を検討することである。まず第一に, この視点の成立経緯をたどることによりその特徴を明らかにし, 次にこの視点から従来の日本の障害研究を批判的に検討することによってこの視点の意義が明らかにされる。さらに縁起や説話を題材としてそこに見出される盲目あるいは盲人の表象形態を日本における盲人文化としてとらえ, これに文化分析を適用する。つづけてこれらの盲人文化を担った日本の伝統的盲人職能集団の社会的性格に考察をすすめ, 「障害」を社会的=文化的コンテクストの中で全体的にとらえることにより「障害」を抱摂する社会の<民俗福祉文化>を明らかにする人類学的アプローチの可能性が検討される。結論としてゴフマンのスティグマ論について批判的検討が加えられる。

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こうした一連の運動背景が近年の「障害の文脈依存性」論の成立背景となっている。』 障害の文化分析 : 日本文化における『盲目のパラドクス』 杉野 昭博 https://t.co/IVzRBRhO4m

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