著者
藤澤 宏幸
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会宮城県理学療法士会
雑誌
理学療法の歩み (ISSN:09172688)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.24-31, 2019 (Released:2019-05-17)
参考文献数
26

動作分析は理学療法において最も基本となる評価法の一つであることは論を俟たない。我々は動作分析の体系化を進めており、動作分析を日常動作分析と特定課題分析に大別している。日常動作分析は、起居動作および歩行を分析対象とし、対象者がその状態で普通に行う動作を分析するものである。この場合、正常範囲の運動パターンとの比較により、異常性を判断する。もう一方の特定課題分析は、ある運動機能が重要となる課題を与えて、その運動機能の優劣を判断するものである。臨床においては日常動作分析と特定課題分析を組み合わせながら、日常動作を効率よく行えない原因、すなわち機能低下を分析してゆく。本稿では、我々が体系化を進めている「データに基づいた臨床動作分析」の概要を説明したのち、運動機能低下を絞り込むために重要な特定課題分析について、身体運動学的観点から根拠を示したい。先にも述べたように、特定課題はある運動機能に焦点をあてており、治療へも応用可能という点で重要である。特定課題分析の意義を理解することで、的確な仮説のもとに治療が可能になるということを共有したい。

言及状況

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動作分析の重要性や方法論てあまり養成校で勉強せんのかな…? 鈴木先生と藤澤先生のこの総説は僕のバイブルです✏️ https://t.co/ZM1mw9c2Sd https://t.co/wTQxzb5BZU
https://t.co/bmcsb1FSxC
学生の頃、一つの動作だけで動作分析をするな、と教わった。 その時は意味も理解できず闇雲にやってたけど、この特定課題分析という方法は理解しやすい。難しい方程式を因数分解で簡単にする感じ(←伝わります?
@TTTGpt5 動作分析を見直すきっかけになった解説誌です。 https://t.co/wTQxzb69Ps
特定課題分析って知ってますか? ある運動機能が重要となる課題から 機能障害を導き出すもので、主に座位や膝立ち、立位での課題があります。 無意識のうちにやってた部分もあるけど、動作分析をこうして体系化してくれると頭がスッキリしますね

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