- 著者
-
三上 益弘
- 出版者
- 分子シミュレーション学会
- 雑誌
- アンサンブル (ISSN:18846750)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.2, pp.108-112, 2018-04-30 (Released:2019-07-04)
- 参考文献数
- 32
初回は,モンテカルロ法と分子動力学法の誕生の歴史について述べたい.モンテカルロ(MC)法の誕生の契機は第二次世界大戦中の原子爆弾の開発において,媒質中の中性子拡散を正確に予測するために,主としてスタン・ウラムにより創始され,フォン ノイマンはその命名者となった.一方,分子動力学(MD)法は,アルダーらにより,剛体球系で創始され,ソフトコア系に拡張され結晶の放射線損傷のシミュレーションに適用された.その後,MC, MD法ともに物質科学に本格的に利用されるようになった.