著者
永井 佑紀
出版者
分子シミュレーション学会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.31-39, 2021-01-31 (Released:2022-05-14)
参考文献数
27

自己学習ハイブリッドモンテカルロ法(Self-learning Hybrid Monte Carlo Method (SLHMC))法とは, 「第一原理分子動力学法と同じ精度が保証された」機械学習分子シミュレーションである. この手法について解説を行う. 第一原理分子動力学法(密度汎関数理論によって計算されたポテンシャルを用いる手法)は計算コストが高いために, 最近では機械学習分子動力学法が使われ始めてきている. この手法は広く用いられてきているが, 実行される結果の精度が用いた人工ニューラルネットワークの質に左右されるために, どのくらいのデータを学習すればよいのか, どこまで学習すれば十分な精度が得られるのか, 等を判断することが難しい. また, 第一原理分子動力学計算では計算が難しいより大きな系に機械学習分子動力学法を用いる場合, そもそもその領域で正しい結果となっているのか, 注意深く調べなければならない. 本原稿では, 機械学習分子動力学法の概略と問題点について述べたあと, これらの問題を解決するために,SLHMC 法の紹介を行う.

言及状況

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https://t.co/csSbwzhs90 自己学習モンテカルロ MLポテンシャルがDFTの結果からずれによって、メトロポリステストで受け入れ率が変化するのを利用して精度保証しているのかー
そういえば、「精度保証された機械学習分子シミュレーション:自己学習ハイブリッドモンテカルロ法」の記事( 分子シミュレーション学会学会誌「アンサンブル」)が1年経ったので無料公開されました。 https://t.co/57QAyIVTV9

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