著者
近藤 光子 玉置 淳
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.101, no.12, pp.3525-3532, 2012 (Released:2013-12-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1 2

気道分泌は,粘液線毛輸送系の構成成分として肺における生体防御機構の維持に重要である反面,気道分泌の増加や喀出困難は日常生活の障害,気道感染の助長,換気障害をもたらす.気管支喘息ではムチン分泌亢進,アルブミンの漏出,好酸球による気道上皮障害から粘調な痰となり喘息死とも関連する.COPDでは過分泌はその増悪に関わり予後に影響を与える.近年,ムチン分泌の亢進や杯細胞化生の制御には上皮増殖因子受容体やインターロイキン13が関わっていることが明らかになった.気道分泌の治療には粘液産生の低下,分泌反応の抑制,分泌物の排除の促進の3つの方法がある.病態に応じた治療法の選択を行うことが基本であり,好酸球性炎症による過分泌には吸入ステロイド,抗ロイコトリエン薬などが,好中球性炎症による過分泌にはマクロライド,抗コリン薬などが用いられる.分泌物の排除の促進にはβ刺激薬や去痰薬,理学療法が用いられる.

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@ME_mattyan a)Poiseuilleの法則により気流抵抗は半径の 4乗に反比例する.正常の状態.b)気道収縮により半径が半分になると 16 倍の気流抵抗になる.c)気道分泌があるが気道が開いていれば気流抵抗増加少.d)気道分泌があり,気道収縮時は気道内径減少,著しい気流抵抗の増加 https://t.co/7Hxh8Q1SH5

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